もっと一緒にいたいのに。

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そうちゃんはよくできた人で、なんでもそつなくこなすタイプだ。 だからこれは、お世辞なのはもちろんだし、それからそれから、社交辞令というか、一種の決まり文句、常套句の類いであるのももちろんのこと。 ……だから、深い意味はない。 そうちゃんは多分、何かしら褒めた方が円滑に進むと判断しただけだ。 他意はない。 きっと、本心でもない。 それでも、悩んだぶんだけ頬が緩みそうになる。 ちょっとだけ悔しくて嬉しい。 ……くそう。 行こう、とさらっと歩き出したそうちゃんを早足で追いかける。 背中に追いついて隣に並ぶと、そうちゃんはわたしをまじまじと見つめて、訝しげに瞬きをした。 「…………ん?」 こてり、不思議そうに傾げられた首。 伏せられたまぶた。 影を落とす長いまつげ。 思案げな、眉。 「ん? 何?」 「いや、なんか……」 「え、何?」 「んー……」 なに。なんだ。なんなんだ。 じーっと凝視されると居心地悪いんだよ、そうちゃん……! 立ちどまるそうちゃんに合わせて足をとめたものの、隣から突き刺さる視線に目が泳ぐ。 うんうん唸っていたそうちゃんは、ああ、と急にこぼしてまばたきをして。 「そっか。目線が違うのか」 ぽふ、とのせられた大きな手のひらが、二回頭の上を往復した。
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