253人が本棚に入れています
本棚に追加
/248ページ
「なんか変な感じする」
「……そう、だね」
結構ヒールが高い靴を履いたから、そうちゃんの横顔が近い。
のせられた手に固まるわたしは置いてけぼりで、そうちゃんは新たな発見をしたらしい。
あ、とわたしの手首を軽く引っ張った。
もう完全に不意打ちで、いきなり引かれた手首が熱い。
「え、何」
「ちょっとここのって」
何歩か戻って階段を指し示された。
段差は低いけど、うちの玄関には三段の階段がある。その階段の、一番下の段。
言われるままにその上に立つと、首を傾げたそうちゃん。
「やっぱりもう一個上」
「ん? うん」
よく分からないまま、言われた通りに一段上がって、これでいいのか、と確認するべく顔を上げると。
……う、わ。
──わたしとそうちゃんの目線が、同じになっていた。
最初のコメントを投稿しよう!