もっと一緒にいたいのに。

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「俺さ、今日の佐藤さん、可愛いって本気で思ってるから」 Tシャツの青が、鮮やかすぎるほどだった。 甘やかな余韻に心臓がうるさい。顔が途端に熱くなる。 思わず耳を疑って、そうちゃんを凝視した。 困った表情。 結ばれた口。 泳ぐ視線。 大きめのVネックから少し鎖骨が覗いていて、無造作なそれにどきりとする。 あまり長くない襟足に、青と黒がよく似合うと思った。 さらりと流れた髪にわずかに隠れている耳。その赤。 いまだに赤いのは、勘違いでなければ、照れているから? 「……え、えと」 もう一度確認したそうちゃんの耳は、やっぱりひと刷け朱く。 照れていることも、きっと本心なことも分かったけど、戸惑う。 口をぱくぱくさせて間抜けに固まったわたしに、焦れたように。 「なんか佐藤さん、可愛いって言ったの本気じゃないって思ってる気がして。お世辞っていうか」 う。 思ってました。ごめん。 目を泳がせたわたしに、そうちゃんは弱り顔をして。 「俺は誰にでも可愛いなんて言わないし」 困ったな、と苦笑が落ちる。 「ほんとのほんとに、今日の佐藤さん、可愛いよ」 わたしの目を見て、もう一度そうちゃんが言った。
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