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数年後…頼る人もなく、それでもある程度生活は落ち着いていました。
当時は会社職員として働いていてましたけど、まだ人とのかかわりは薄くて、相変わらず一人ぼっちでした。
そのとき、家族になる彼女…よだかに会いました。
その日…私は残業で帰りが遅くなっていました。
夜遅くなれば柄の悪い人も増えるのに、私は1人で帰っていました。もう怖くてしょうがなかったですよ。
ガタッ…
「ひっ!!」
鞄を抱きしめて、何気ない物音にも怯えていました。
(もう嫌…私っていつもいつもこんな…)
ドサッ!
「きゃあ!!」
今度は悲鳴を上げました。街頭だけの路地で、先程より大きな音でした。
周りを見渡したら、音は前の角から聞こえました。
(何…喧嘩…?酔っぱらい…?)
暫く様子を見てたけど、次に何も聞こえません。
何だろう…って興味がなかった訳じゃありません。厄介事に関わらないのが当然ですけど、どの道私の住むアパートは角を曲がった先だったので、そこを通らないと帰れません。
そーっと、覗くように角の先を見ると、沢山のゴミ袋の上に女の子が倒れていました。
「!?」
流石に驚きました。慌てて近寄り生きてるか確認すると、呼吸はしてました。
「ね、寝てる…?」
ほっとしたら、今度は後悔しました。
彼女は怪我だらけで、服も汚れていました。真っ当な生活をしていないことは明白でした。
「………」
再度周りを見渡し、ゆっくり女の子から離れます。
(関わらない…このまま離れれば大丈夫……)
アパートの近くでもあるし、危ない輩に目を付けられたくない…私は目を反らしてアパートに歩きだす。
「うっ…」
女の子が呻いた。
「………」
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