白い溜息

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白い溜息

昔は近くて嬉しかった距離が、今では辛い。 無視して通り過ぎることのできない自分が情けない。 はぁ、と零した溜息は白く色付いて空気の中に溶けていく。 そんなに現実は甘くないって、そのくらい分かってた。…分かってたはずなのに。 俺の気持ちが5年間変わらなかったから向こうもそうだって、勝手に決め付けてた。 バカだ、俺。 次会ったときはきっと、あの子が手に入るって思い込んでた。 ───────もう、何も考えたくない。
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