怒る社長

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怒る社長

仕事をしている人には基本電話はせず、何かある時はメールかラインをする。 今までお付き合いをした男性からも毎日電話があったことはない。 しかし社長は忙しいから電話で済ませたいのか、ラインが苦手だからか毎日電話をくれた。 私が事務所にいて、社長が打ち合わせや現場に出向いている時など暇があれば電話があったが、電話慣れしていない私は当初、不思議で仕方なかった… 大して話すこともないのに毎日電話。 数少ない友人に話しても、 「それ電話魔」 と言われるだけだったが一緒にいる時間が長くなるにつれ、〝みかけによらず〟マメな人なんだと思うようになった。 私の中では(ただの偏見)ガチムチ系の男性でマメな人はいない と思っていた。 しかも見た目が真面目じゃない! かと言ってすごくチャラい訳ではないが、多少のチャラさが見え隠れしている… と感じていた。 とか言うとお前はどんだけのもんやねん!と総ツッコミされそうだが、ここだけの話第一印象は最悪だった。 見た目が偉そう 体がデカくて飾らない感じを、見る目のない私は〝偉そうな人〟と勘違いした。 それに、さっきも言った〝チャラそう〟 どちらかというと、短髪の男性が好きな私 長くはないが、パーマをかけているだけで私は〝遊び人〟に見えていた。 そう、私は世間知らず… 人を見かけで判断するな!と教えられてきたし、今までそうしていたつもりだった。 と、〝みかけによらず〟があだ名になってしまいそうなマメな社長だか、夜も同様 毎晩電話があった。 元旦那がいる時もあったが、すでに離婚しているし気にせず毎晩電話で話していた。 元旦那も元旦那で、離婚しても私が電話で話していても、気を使わず帰宅し風呂に入ったり、スーパーで買った惣菜を食べていた。 そんな状況が気に入らなかった社長… 基本、私や親しい仕事仲間には優しいが、その他ではかなり厳しい。 この若さで会社を立ち上げ、過去に舐められた事もあったと聞いてその厳しさも納得したが、元旦那に対しては怒っていた。 43歳の元旦那の事を非難した。 「俺より11も上なのに、元嫁の家でのうのうと暮らしてるなんて考えられん!それなりの生活費入れてるのか!?それにしても自立できていない!」と事あるごとに怒っていた。
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