Anniversary

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 冷やかしながらもまるで当たり前のように 『傍にいる』 ということを前提にした台詞を返してくるこいつが好きで好きでたまらない。きっと俺たちは、飽きたり嫌いになったりすることなんてないのかも知れない。 「そろそろ戻るか」 「ん……、だな」  今夜は階下に部屋を取ってある。出会ってから五度目の記念日にふさわしい豪華なスイートルームだ。 「その前にもう一回乾杯するか?」 「……ああ、いいね」  俺は嬉しくて、堪えきれずに緩んだ涙腺を隠すように手元のワイングラスを傾け、掲げた。  今までの五年の歳月を懐かしみつつ、五年後への甘い夢を馳せながら―― - FIN -
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