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新しい環境で
人生初の一人暮らし
知らない人ばかりで不安もあるけど
それ以上にワクワクが止まらない
「大学生活と言えば、素敵な出会い!恋!彼氏ができてー……そしてデートして~」
厳しい母に育てられた佑奈。
中学、高校と厳しい門限に縛られ、放課後の思い出と言えば塾塾塾……勉強漬けの生活だった。
「佑奈は相変わらずだねぇ。そう言ってもう3ヶ月経ったけど実際どうなの?」
長い黒髪の美人さんが笑いながら尋ねる。
「うぐっ……現実の話はやめて~!」
佑奈と呼ばれた小柄な女の子は頭を抱える。
理想と現実は違うとはよく言ったもので、大学に入学してから早3ヶ月。
充実してない訳ではないが、恋愛方面のフラグは何も立たないまま時間だけが過ぎてしまった。
「瑞希はどうやって彼氏作ったのぉ?」
「んー?私は普通バイト先の先輩から告白されたから」
「こ、告白……」
佑奈は目をまん丸にして瑞希を見る。
瑞希は誰がどう見たって美人だ。
モデルをやっていてもおかしくないくらいに。
「瑞希の例は全然参考にできないよー」
「ちょっ聞いといてそれは酷いなぁ」
「だって生まれてこの方告白なんて1回もされたことないもん!バイトでも小動物扱いされてる感じだし」
ぷくっと頬を膨らまして不貞腐れる。
(小動物扱い……気持ちはわかるなぁ)
「そんなに言うなら誰か紹介してあげよっか?」
「んー……私の場合彼氏が欲しいって言うより、トキメキが欲しいんだよね……無理矢理作るのは少し違うの!」
「ふーん。じゃあ気になる人もいないんだ?」
「…………─────っ」
さっきまで大きな声で話していた佑奈が突然ごにょごにょと小声になる。
「え?なんて?」
「いなくも……………………ない」
「えー!?いるんじゃん!!」
「でも無理!話しかけることすらできない!!」
頭をまた抱えて1人で悶える。
今まで恋愛とか恋人とかそういうものと無縁で生きてきた人間が、いきなり大学生になったからといってすんなり積極的に動ける訳がなかった。
憧れるだけで行動は何も出来ていないのが現状だった。
「どの人?おしえなさいよー!」
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