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「え、サークル?もちろん入ってるわよ」
「し、知らなかった」
佑奈は驚く。
「まぁ先輩に無理やり入れられたに等しいから、活動はそこそこにしかしてないしね」
「へぇ……どこに入ってるの?」
「映画研究部ってところよ。この前も通行人役で無理やり出させられちゃった」
「映画研究部?って観る方じゃなくて撮る方なの!?」
「そうよっ、まぁ参加はあんまり強制されないし暇潰しにはいいかなぁって。一番は先輩にお願いされたからだけど」
(椎名くんもそういえば先輩に言われてって言ってたなぁ)
じゅるじゅると持っている飲み物を飲み干し、鞄にしまっていたチラシを取り出す。
「でもサークル活動いいと思うわよ。友達増えるし、先輩と仲良くなれば試験の範囲教えて貰えたり資料くれたりするし」
地方出身の佑奈は正直まだ友達が多いとは言えない。
逆に地元民の瑞希は知り合いが多い為、よく他の友達と遊びに行ったりしているが、その時はだいたい佑奈は1人で過ごしている。
(これは……恋愛以前に大学生として色々謳歌出来てないんじゃ)
入学3ヶ月目にして致命的なミスに気がついた。
「入学したばっかりの時は人の多さにびっくりして、誰かに声かけられてもまともに対応できなかったもんなぁ」
(確かに新歓真っ只中の時、声かけられてもずっとビクビクしてたもんなぁ佑奈)
そんな佑奈が可愛かったけどね。とは口が裂けても言えない瑞希であった。
「活動内容にこだわらないなら1回行ってみてもいいんじゃない?せっかくアキが誘ってくれたんだし」
「う、うん……そうなんだけどさ」
佑奈はチラッと瑞希を見る。
「1人だと不安だからさ、瑞希もついてきてくれない?」
瑞希の手を握ってうるうると訴える佑奈。
「ふふっ……仕方ないわね。こんなに可愛い佑奈からお願いされちゃったら断れないじゃない」
「ありがとー!瑞希ほんと神!女神様だよぉ!!」
思わず瑞希にぎゅっと抱きつく。
「飲み会はいつあるの?」
「今週末って言ってたから明後日だと思う」
「おっけー。私からもアキに連絡しとくわ」
ここ3ヶ月は授業とバイトの繰り返しだったが、ようやく大学生らしいイベントに参加することが出来そうな佑奈はルンルンで授業に向かった。
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