第1話 ときめき日和

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「いやー、女の子が2人も来てくれるなんて本当に嬉しいよ!!見ての通り少人数な上、むさい男ばっかりでねぇ」 居酒屋には6人の写真部員の人たちがいた。 「最初は志波くん目当て女の子達がたくさんいたんだけど……志波くんがあんまり来ないこと知った途端いなくなっちゃったしなぁー」 「部長~っそれは俺のせいじゃないでしょ」 「そうだけどさ~やっぱり女の子欲しかったんだよ!女の子が欲しいと叫び続けてもう4年目だよ!?」 あはは、と笑うしかなかった。 「ま、座りなよ。部長こんなんだけど、別に変な人って訳じゃ………………多分ないからさ」 「椎名~!!その間はなんだ!多分ってなんだ!!!」 昭はとりあえず2人を席に案内する。 「まぁまぁ、せっかく来てもらったんだし楽しんでもらおうよ」 「金井はいいのなぁ……彼女いるもんなぁ……俺は結局大学生活恋愛イベントは1つもないままだよ」 「それは今関係ないだろ!」 どうやら部長と金井が4年生。 あとは3年生1人と2年生が3人、そして昭と志波の1年生2人の8人のサークルらしい。 「今日は珍しく志波もいるし盛り上がろうぜー!」 「中々来れなくてすみません!今日はお願いします!」 賑やかな雰囲気で飲み会はスタートした。 『志波くん目当ての女の子達がたくさんいたんだけど』 佑奈は先程の部長の言葉を思い出していた。 (やっぱりモテるなぁ……こうやって隣に志波くんがいるって本当にすごいことなんだ……) チラッと志波を見ると、志波も佑奈の視線に気づいてどうした?と言いたげに首を傾げる。 佑奈はブンブンと首を横に振ると、志波は笑った。 「佑奈ちゃん本当に面白いな」 「はいはい、そこはイチャイチャしなーい!」 昭が志波と肩を組んでそのままもたれ掛かる。 「いや!そんなイチャイチャなんでしてないですよ!」 「そこまで強く否定しなくても」 志波も冗談めいた口調で言う。 「でもダメだぜ佑奈ちゃん。これは俺んだからな」 昭はそう言って志波のほっぺに軽くキスをした。 「うわー!お前何すんだよ!!」 「はいはい照れない照れないっ」 「いいぞ椎名もっとやれー!」 「え?飯島先輩もしてほしいって?仕方ないなぁ」 「いや!俺はノーサンキューで!!」 部の雰囲気はとても和やかだった。
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