第1話 少年が刑事と出会い更生するまでの、ヒューマンドラマ。

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 「原田君。 君がやったのか?」  開口一番、 高橋が言った。  どうしてオレの名を。 原田は刑事が自分の名前を知っていることに驚きを隠せずにいた。  高橋刑事は、 原田にお茶をすすめた。 よく温まった、 しぶくて甘いお茶だった。  「どうして財布を盗んだの?」  誘導尋問にひっかかった原田は、  「お金に困っていたんです。 父親が病気で」  と嘘を言った。  「君に父親はいないはずだよ」  「えっ」  原田は少し驚き、  「義理の父親のことです」  と嘘に嘘を重ねた。  高橋はあえてそれには触れずに、 中学時代、 原田がどのようにして学校生活を過ごしたか、 そのことについて尋ねた。
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