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原田はとつとつと語った。
友人もできず、
いつも教室の隅でひとりぼっちだったこと。
授業もろくにでず、
保健室で待機児童として過ごしたこと。
いじめられて育ったことを原田は悲しい目で高橋に訴えた。
学校に行っても、
うわばきは隠され、
ジャージは落書きされ、
とても安心して授業が受けられる環境になかった。
当然、
授業にもついていけなかった。
学校にも行かなくなり、
万引きで補導されるようになり……。
誰にも心を許すことはできなかったし、
先生もあてにならないことを肌身で感じた。
「君の気持ちはよくわかる。
でもしてはいけないことはいけないんだよ。
わかるだろ」
原田は、
たとえ殺人を犯して世間を騒がせることになったとしても、
そんなことは自分にとって小さな問題だと思っていた。
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