第1話 少年が刑事と出会い更生するまでの、ヒューマンドラマ。

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 原田はとつとつと語った。  友人もできず、 いつも教室の隅でひとりぼっちだったこと。  授業もろくにでず、 保健室で待機児童として過ごしたこと。  いじめられて育ったことを原田は悲しい目で高橋に訴えた。  学校に行っても、 うわばきは隠され、 ジャージは落書きされ、 とても安心して授業が受けられる環境になかった。  当然、 授業にもついていけなかった。  学校にも行かなくなり、 万引きで補導されるようになり……。  誰にも心を許すことはできなかったし、 先生もあてにならないことを肌身で感じた。  「君の気持ちはよくわかる。 でもしてはいけないことはいけないんだよ。 わかるだろ」  原田は、 たとえ殺人を犯して世間を騒がせることになったとしても、 そんなことは自分にとって小さな問題だと思っていた。  
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