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なあ五郎。
困ったもんだろ。
そこから先は話さなくてもわかるだろ。
高橋は目で同意を求めた。
「ははーん。
うちの若い衆につかまって、
ヤキを入れられたってことですかい?」
「どうも金を請求されているみたいだ。
あと小指もよこせと言われているらしい」
「金額は?」
指を3つ、
目の前に差し出した。
「3本ですかい。
そりゃあ困りやしたね」
帯刀が大きく息をはき出した。
「だんなの頼み事とはいえ、
これは若い衆のシノギがかかってる。
若い衆のシノギを取り上げちまったら、
頭の面目が立たねえ。
組が成り立たなくなっちまう。
おまんまの食い上げでさあ。
これっばっかりは、
どうにもならねえ」
帯刀は言った。
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