第1話 少年が刑事と出会い更生するまでの、ヒューマンドラマ。

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 しかし証拠がない。  老人の前にラーメンと餃子が運ばれ、 老人は割り箸を2つに割った。  こうして注意深く見ると、 誰も彼もすべてが怪しく見えた。  しかし高橋刑事のそばを通ったのは、 ごくわずかな限られた者たちだけだ。  高橋刑事は老人の隣に席を移し、 老人に話しかけた。  70くらいの少し腰の曲がった老人は、 ラーメンを食べる手を休めず、 高橋刑事の世間話の相手になった。  どうも違うようだ。 本能的に悟った。  刑事の勘で。 高橋はその場から離れた。  高橋刑事は店長を呼び、 事情を話した。  自分が警察官であること。 そしてこの中にスリの犯人がいること。  現行犯で今なら捕まえられること。  同意を得て、 持ち物検査をさせてもらうことにした。 店長は協力的で、 客に事情を説明し始めた。 持ち物検査に反対する若者もいた。
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