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しかし証拠がない。
老人の前にラーメンと餃子が運ばれ、
老人は割り箸を2つに割った。
こうして注意深く見ると、
誰も彼もすべてが怪しく見えた。
しかし高橋刑事のそばを通ったのは、
ごくわずかな限られた者たちだけだ。
高橋刑事は老人の隣に席を移し、
老人に話しかけた。
70くらいの少し腰の曲がった老人は、
ラーメンを食べる手を休めず、
高橋刑事の世間話の相手になった。
どうも違うようだ。
本能的に悟った。
刑事の勘で。
高橋はその場から離れた。
高橋刑事は店長を呼び、
事情を話した。
自分が警察官であること。
そしてこの中にスリの犯人がいること。
現行犯で今なら捕まえられること。
同意を得て、
持ち物検査をさせてもらうことにした。
店長は協力的で、
客に事情を説明し始めた。
持ち物検査に反対する若者もいた。
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