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持ち物検査をしながら雑談を交わしている間中、
高橋刑事は客、
一人一人の目の使い方、
表情を確認していた。
そして原田だけがどこか違和感を漂わせ、
刑事の第6感を刺激した。
原田真司はそれはもう堂々としていて、
けれど、
その堂々とした振る舞いが、
なぜか高橋の嗅覚に訴えた。
携帯から電波を送った。
すると数秒おいて、
財布が反応した。
誰も座っていないテーブル。
その椅子の上から、
白雪姫のメロディーが流れた。
警察官が財布をすられる、
そんな間抜けはあってはならない。
ありえないことだった。
隣町、
厚木市の犯罪者リスト。
スリの常習者の欄に、
原田真司の顔は既にファイリングされていて、
高橋刑事も彼の存在を知っていた。
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