第1話 少年が刑事と出会い更生するまでの、ヒューマンドラマ。

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 持ち物検査をしながら雑談を交わしている間中、 高橋刑事は客、 一人一人の目の使い方、 表情を確認していた。  そして原田だけがどこか違和感を漂わせ、 刑事の第6感を刺激した。  原田真司はそれはもう堂々としていて、 けれど、 その堂々とした振る舞いが、 なぜか高橋の嗅覚に訴えた。  携帯から電波を送った。 すると数秒おいて、 財布が反応した。  誰も座っていないテーブル。 その椅子の上から、 白雪姫のメロディーが流れた。  警察官が財布をすられる、 そんな間抜けはあってはならない。 ありえないことだった。  隣町、 厚木市の犯罪者リスト。 スリの常習者の欄に、 原田真司の顔は既にファイリングされていて、 高橋刑事も彼の存在を知っていた。
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