第1話 少年が刑事と出会い更生するまでの、ヒューマンドラマ。

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原田は幼少期に家庭の事情で両親と離れ、 15までは施設で育った。  高校には進学せず、 地元の工場で働くものの、 どれも長続きしなかった。  「さっきまでどこに座っていましたか?」  刑事は問いただした。 原田が指さした場所は、 案の定、 財布が見つかった場所だった。  中身は抜き取られる前で、 犯人が窃盗をあきらめたことを物語っていた。  「君、 ちょっと署まで来てもらおうか?」  高橋は自分の小銭入れをガーゼで包み、 持っていたビニール袋にしまった。  原田は従った。  移動には高橋の自家用車が使われ、 署に着くとすぐに原田は取調室に通された。
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