2人が本棚に入れています
本棚に追加
原田は幼少期に家庭の事情で両親と離れ、
15までは施設で育った。
高校には進学せず、
地元の工場で働くものの、
どれも長続きしなかった。
「さっきまでどこに座っていましたか?」
刑事は問いただした。
原田が指さした場所は、
案の定、
財布が見つかった場所だった。
中身は抜き取られる前で、
犯人が窃盗をあきらめたことを物語っていた。
「君、
ちょっと署まで来てもらおうか?」
高橋は自分の小銭入れをガーゼで包み、
持っていたビニール袋にしまった。
原田は従った。
移動には高橋の自家用車が使われ、
署に着くとすぐに原田は取調室に通された。
最初のコメントを投稿しよう!