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 私は必死に、物音を立てないように身を竦ませる。知らない。あんな怪物なんて、聞いてない。平穏無事に生きていたかっただけなのに。  友だちは、みんな死んだ。  怪物に殺された。   だから私だけ必死に、遠いところまで逃げて、ここまで来たんだ。    死にたくない。絶対に、殺されたくない。 「ふぅ」  女の吐息が、微かに聞こえた。  殺人鬼は獣の如き反射速度で、その方を振り向いた。
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