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「美味しかったのに。瑛人も今度一緒に食べよう」 「航生と行けよ。楽しかっただろ」 「兄貴、ちょっ、信じらんねえ」 「瑛人と行きたいのに」 「そうそう。おまえらもう恋人同士だろ。堂々とデートしてこいよ」 「もう何年もそういうデートをしてきてるんだよ俺は」  心底げんなりしている。嫌だったのだろうか。瑛人は甘い物がそこまで苦手ではないはずなのに。過剰に甘かったということだろうか。今度は激辛にでも変更すればいいだろうか。 「じゃあ恋人っていっても今さらって感じ?」 「そんなことないよ」 「どこが変わったの」 「うーん…気の持ちよう」 「おまえ絶対日本語おかしいからなそれ」  使用方法が違うのか。やっぱり国語は難しい。 「好きだって気づいてから変わったんだろ色々と」 「変わったと言えば変わったような。変わってないといえば変わってないような」 「俺から見てもまさしくそんな感じな。それでよく進展したっていうか。何のきっかけなの」 「だから言わない」 「何で」 「恥ずかしいから」  そう答えると、何故か二人の兄弟は顔を見合わせていた。  そして何故か笑う。
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