第1章 空白の記憶

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教室は今日も朝から騒がしい。 私はいつも通り机で小説を読む。 すると前から声がした。 「瀬藤ちゃんおはよ~!」 心奈だ。ふわふわしたショートの髪が可愛らしく性格も良いのでクラスでは人気者だ。 「おはよう心奈。今日も寒いね」 「ちょー寒い!あ、そーいえば今朝のニュース見た?これこれ」 そう言って心奈が差し出したスマホを見ると 最近話題になっている通り魔事件が載っていた。 「通り魔?!怖いね~。しかも近いじゃん!!」 怖いとか思ってない、話を合わせるだけ。 言ってしまえば寒いとも思っていなかった。あれもただの話作りだ。 「だよね…!しかも被害者は女子高生なんだって…」 「そっか…(まだ犯人は捕まってないんだ)」 キーンコーンカーンコーン 時間が経つのが遅く感じる。まだ三限か。 私はいつもクラスメイトの話に合わせるので大変なんだ。 「感情」がら分からないから話を聞いても笑ったり意見を言うのは苦手なんだ。 感情と言うものに少し興味はあった。 だから小説を読んで感情と言うものを感じてみようと思ったのだ。 未だに何も分からないままだが特に焦ったりはしていない。
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