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第3章 幼き記憶
冬茜色に染まった視界の中心に点が見えた。
その点は線になった。
まるで蜘蛛の巣の様に広がって、あっという間に視界を埋めつくした。
「莉菜ちゃん、お饅頭があるよ」
…おばあちゃん?
この声は間違いなくおばあちゃんの声だった。
そして、私の名前を呼んでいた。
「わぁーい!おばあちゃんありがとう!!」
小学生くらいの幼い少女の声が聞こえた。
それと同時に真っ暗だった視界がガラリと変わった。
小さなコタツにおばあちゃんが居る。
そこに笑顔を浮かべ、おばあちゃんの元へ寄る………私??
その少女は幼い頃の私だった。
幼い頃の夢でも見ているのか。
私は、しばらくその2人を眺めていた。
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