133人が本棚に入れています
本棚に追加
たかが名前、されど名前だ。
「お前ら、ちゃんと紙には書いてきたよな? 今さら待ったは聞かねぇからな」
「もっちろん! 最高のアイディアを書いといたわ!」
「よし。じゃあテーブルの上に置け」
小さく折り畳まれた紙が、テーブルの上に小山を作った。
集まった連中には、事前に紙に書いてくるように伝えてある。
項目は名前と、由来や理由だ。
公平性を持たせるように、それを匿名で用意させたのだ。
「じゃあこれから適当に選ぶ。それをみんなで有り無しを採決する。オッケー?」
「よかろう。不正の入る余地は……無いな」
「そんじゃまず1枚目な」
名前はレリア
理由は、名前がそっくりな美人姉妹とか素敵じゃない(はーと) きっと大陸中の話題になるわよ!(キラキラ)
「レイラ、ちょっと頭出せ」
「なぁに?」
「教育的指導!」
「ヘモスッ!?」
クソくだらん案を出したレイラにデコピンをくれてやった。
しばらく眠ってろ。
「今のはレイラのか。なんとも煩悩剥き出しの意見じゃのう」
「じゃあ、2枚目いくぞ」
「うむ。早(はよ)うな」
名前はタリア。
理由は陛下と私の愛の、もとい真夜中の愛の結晶にございます。私めの名と、畏れ多くも陛下の御名をお借りしまして……
「イリア、ちょっと気絶してろ」
最初のコメントを投稿しよう!