第3話  名付けの権利

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たかが名前、されど名前だ。 「お前ら、ちゃんと紙には書いてきたよな? 今さら待ったは聞かねぇからな」 「もっちろん! 最高のアイディアを書いといたわ!」 「よし。じゃあテーブルの上に置け」 小さく折り畳まれた紙が、テーブルの上に小山を作った。 集まった連中には、事前に紙に書いてくるように伝えてある。 項目は名前と、由来や理由だ。 公平性を持たせるように、それを匿名で用意させたのだ。 「じゃあこれから適当に選ぶ。それをみんなで有り無しを採決する。オッケー?」 「よかろう。不正の入る余地は……無いな」 「そんじゃまず1枚目な」 名前はレリア 理由は、名前がそっくりな美人姉妹とか素敵じゃない(はーと) きっと大陸中の話題になるわよ!(キラキラ) 「レイラ、ちょっと頭出せ」 「なぁに?」 「教育的指導!」 「ヘモスッ!?」 クソくだらん案を出したレイラにデコピンをくれてやった。 しばらく眠ってろ。 「今のはレイラのか。なんとも煩悩剥き出しの意見じゃのう」 「じゃあ、2枚目いくぞ」 「うむ。早(はよ)うな」 名前はタリア。 理由は陛下と私の愛の、もとい真夜中の愛の結晶にございます。私めの名と、畏れ多くも陛下の御名をお借りしまして…… 「イリア、ちょっと気絶してろ」     
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