第3話  名付けの権利

7/7
前へ
/64ページ
次へ
「どうだ。お前さえ良けりゃ決めちまうが」 「構いませんよ。僕はこだわり無いですし」 「そうだったのかよ。じゃあどうしてこの場に居るんだ?」 「話半分で連れて来られたんですよ。レイラさんが強引に」 「なんだ、巻き込まれただけか。今日も災難だったな」 「いえ、もう慣れましたので」 ようやく赤ん坊の名前が決まった。 昼の段階では、ここまで面倒になるとは思いもしなかったぞ。 そして、並んでる4つの肉塊。 こいつら本当にどうすっかな。 「アイリス。こいつらは放っておけ」 「いいんですか? 風邪ひいちゃいますよ?」 「じゃあ毛布でもかけてやれ。自業自得なヤツらだが」 この時、アメリアはまだ夢の中にいた。 お腹が空いて泣き出すには、もう少し待つ必要がありそうだ。 ーー初めて名前を呼ぶのはオレだ。 新たな野望が胸に生まれる。 その時漏らした笑みが理解できなかったらしく、目の前の2人は揃って首を傾げた。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

133人が本棚に入れています
本棚に追加