第4話  鉄の掟

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罵られたイリアが頬を染めて、身をくねらせだしたからだ。 そこでオレの目付きが、より一層厳しくなったのは言うまでもない。 そんな経緯で作られたボールだが、実用性は抜群だった。 ダイチはすっかり気に入ったらしく、外で遊ぶときは手放せなくなってしまった。 「パパァーいくよー」 「おう。いつでも良いぞ」 「やぁっ!」 勇ましい声と一緒に投げられたボールは、オレの手元どころか、中間地点あたりで転がる。 お前の腕力が可愛い。 今すぐにでも抱き上げたくなるが、ダイチはボール投げに夢中だ。 ここは慌てず泰然とし、息子の動きを見守る事にする。 それからダイチは何度もリトライするが、一度として長距離を飛ばせていない。 投げては追いかけ、投げては追いかけ。 世話を焼きたくなるがジッと我慢。 「何にせよ、良いもん作ってもらったな」 「お褒めに預かり、光栄でございます」 「やっぱり居たのかよイリア」 「いつでもお側に。昼も夜も」 背後からの声について特に驚きもしない。 『夜も』の部分だけ若干うわずってたが、それも無視だ。 「子供にございますね」 「それは誰の事だ?」 「ダイチにございます。常識外の魔力を持つことを除けば、ごく普通の少年と言えます」 「そうだな。腕力も発想も幼い。あとは魔法がクリアできりゃいい」     
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