第4話  鉄の掟

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「ママ、あそぼ!」 「わかりました。ボールを使うのですね?」 相方のチェンジを言い渡されてしまった。 だからダイチはイリアに委ね、オレは大木の木陰へと向かった。 木の下には長椅子が置かれていて、そこにはアメリアを抱き抱えるアイリスがいた。 今度は娘の様子の確認だ。 自分がまるで浮気男のような気がして、何となく気まずい思いが過(よぎ)る。 「どうだ。アメリアの機嫌は」 「さっきミルクを飲み終えた所です。機嫌の方は……」 「エヒッ。エヒッ……」 「ちょっと泣いてんのな」 「うーん。眠たいのでしょうか?」 アメリアに教えてもらったのは、赤ん坊は眠るのが下手という事だ。 これまでは、放っておけば勝手に寝るもんだと思ってたが、とんだ認識違いだ。 眠い時にうまく寝つけないと、メチャクチャ泣きわめくのだ。 「ェェエエーーン!」 「おっと、本格的に泣いちまったな」 「どうしましょうか。一度家に戻った方が……」 「ギィヤァァアアーーッ!」 アメリアに教えてもらったこと、その2! 赤ん坊は遠慮無しに大声で泣く! 耳いってぇ! 「ああぁ、今までで一番激しい泣き方です! なんとかしないと!」 「……ちょっと待て。何だこの魔力は!?」     
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