第5話  魔物の影

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第5話  魔物の影

第5話  魔物の影 「スケルトン・ロォド? なんだそれ?」 食堂にオレの不機嫌な声が響き渡る。 昼時から外れた時間のせいか、利用者は多くない。 だから端のテーブルにみんなでドカーって座ってた。 オレたち親組3人は昼飯をモグー。 ダイチも自力でご飯をパクー。 ミルク飲んだアメリアがンフー。 こんな家族団らんの真っ最中に、マリィとレイラがやってきた。 さらにはスケルトンがどうのって言い出すんだから、機嫌だって悪くなるさ。 飯の最中だっつうのにフザケんな。 「スケルトン・ロードは強個体の魔物じゃ。ロードを冠するだけあって、大抵は下位種族の集団を率いておる」 「はいはい。講釈どうも。んで、それがどうしたってんだ」 「私見ちゃったのよ! 南東の森でさ、人型の骨が歩いてるとこ!」 「ふぅん。……で?」 「いや、退治しないの?」 「なんで退治しなきゃいけないの?」 「えっと、その、危ないじゃない!」 敵かどうか判らんヤツをいきなり退治するとか、好戦気質も大概にしろ。 アマゾネスかお前は。 「タクミよ。スケルトンとは戦没者の怨念が、野ざらしの白骨に宿る魔物じゃ。生者への執着も強いと聞く。十分に危険な連中じゃと思うが」     
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