第5話  魔物の影

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窓の外から声をかけられた。 そこにはリョーガが眠たそうな面のままで突っ立っている。 「起きてた。お前も気づいたか?」 「いいえ、僕がではなく、レイラさんです」 「レイラが?」 「ね、タクミ。この禍々しい気配は、きっとスケルトンよ! やっつけちゃおう?」 リョーガの背中に隠れるようにして、レイラが顔を除かせた。 その様子が少しだけ気にかかった。 暗がりでも解るくらいに震えてるし、顔色も悪そうだ。 「なんだお前、そんなに震えて。風邪か?」 「これは違うの。ちょっと苦手なだけ」 「苦手?」 「その、お化けとか! 幽霊とかが苦手なの!」 ここにきて明かされる、クソどうでもいい新事実。 レイラはお化けが怖い。 それを知ったところで、明日以降の暮らしに何ら影響の無いゴミ情報だ。 という事はだ、スケルトン退治を推奨してきたのも、自分が苦手な魔物だったからか。 公私混同も大概にしろ。 「どうします? 兵を起こしますか?」 「いや、まだ必要ない。オレらだけで様子を窺うぞ」 「わかりました、行きましょう」 「ねぇ、もしかして私も戦列に入ってるの?」 「当たり前だ。お前は魔道将軍を自称してるんだから、国難を前に逃げたりはしねぇよな?」 「クッ……。それを持ち出すのは卑怯よ!」     
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