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窓の外から声をかけられた。
そこにはリョーガが眠たそうな面のままで突っ立っている。
「起きてた。お前も気づいたか?」
「いいえ、僕がではなく、レイラさんです」
「レイラが?」
「ね、タクミ。この禍々しい気配は、きっとスケルトンよ! やっつけちゃおう?」
リョーガの背中に隠れるようにして、レイラが顔を除かせた。
その様子が少しだけ気にかかった。
暗がりでも解るくらいに震えてるし、顔色も悪そうだ。
「なんだお前、そんなに震えて。風邪か?」
「これは違うの。ちょっと苦手なだけ」
「苦手?」
「その、お化けとか! 幽霊とかが苦手なの!」
ここにきて明かされる、クソどうでもいい新事実。
レイラはお化けが怖い。
それを知ったところで、明日以降の暮らしに何ら影響の無いゴミ情報だ。
という事はだ、スケルトン退治を推奨してきたのも、自分が苦手な魔物だったからか。
公私混同も大概にしろ。
「どうします? 兵を起こしますか?」
「いや、まだ必要ない。オレらだけで様子を窺うぞ」
「わかりました、行きましょう」
「ねぇ、もしかして私も戦列に入ってるの?」
「当たり前だ。お前は魔道将軍を自称してるんだから、国難を前に逃げたりはしねぇよな?」
「クッ……。それを持ち出すのは卑怯よ!」
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