第5話  魔物の影

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オレはリョーガを率いて、レイラを小脇に抱え、町外れに向かった。 夜中だから人の往来も無い。 目の前には無人の草原が広がっていて、遠くに森が見える。 例の気配はやはり森の方からだ。 「どうだ、視認できたか?」 「……居ました。容貌も話と合致します」 リョーガの言葉を合図にしたかのように、森から白い塊が続々と姿を表した。 真夜中に不似合いな白の集団が、隊列を組み直してゆっくりとこちらへ向かってくる。 ーーカシャリ、カシャリ。 骨が擦れるような嫌な音が聞こえる。 風向き次第では、微かな腐敗臭までが漂う。 死者の軍。 それがどれ程の力を持つか、オレは知らない。 強弱もそうだが、どんな特殊能力を持っているか不明だ。 だから、軍を率いての戦いを仕掛ける前に、オレたちで情報を掴んでおきたかった。 「タクミさん。真ん中に一回り大きいヤツが居るでしょう。アイツが群れのボスじゃないですか?」 「本当だ。あれがスケルトン・ロードかもしれねぇな。装備だって上等だし」 手にしているのは大抵が棒切れ、せいぜいが石斧という中で、立派な剣を持っている個体が居た。 遠目では剣の質までは判らんが、連中の中で一番強そうではある。 ーーまずはアイツを潰すべきか……。 そう考えていると、敵陣に変化が起きた。     
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