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「何かご不都合でもありましたでしょうか?」
「いやさ、この子が何を飲み食いするか知らねぇだろ。一番詳しそうなのがアイツじゃねぇか」
「恐れながら申し上げます。間に合わせであれば、母乳でよろしいかと」
「そうなのか? 勝手にやって平気かよ?」
「様子を見ながらであれば、問題ないでしょう。正しき対応はマリィ様が戻られてからになさっては?」
「なるほどな。それでいくか」
オレは育児中の女を探そうとしたが、イリアは全然違うことを考えたらしい。
目の前で自分の着ているブラウスのボタンを外しだした。
しかもオレの顔色をチラチラ窺いながら。
何だか無性に腹が立って、イリアの頭にゲンコツを落としてやった。
「何考えてんだ。とうとう露出に目覚めやがった変態か?」
「陛下のお力になりたい一心にございます」
「もしかして母乳出す気か? 出るわけねぇだろ。経産婦さんですかテメーはよ」
「陛下に先端を一頻(ひとしき)り吸われれば母性が目覚め、出るようになるかと……」
ーーガツン!
二発目のゲンコツが炸裂。
タクミ先輩の指導をありがたく受けとれ。
「こっちはもう良いから。お前はあれだ、ベビーベッドを作れ」
「はい、ただ今」
「今日中にな。それから服もだ」
「承知いたしました」
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