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「あと、お前はそろそろノーパンを卒業しろ」
「お断り申す」
唐突におっさんみたいな声を発して、イリアが街へと消えていった。
相変わらず変な奴と思うが、それ以上追求はしない。
考えたってどうせ理解できないのだから。
そんな細やかな疑問も、赤子の世話をしているうちに忘れていった。
オレが切望したマリィたちの帰還は、翌早朝だった。
さすがに同日の戻りは不可能だったらしい。
出迎えに行くと異様に消耗したリョーガが目に付いた。
「おい、どうしたんだ? お前は何でそこまで疲れてんだよ?」
「妾たちはか弱き女にすぎぬ。故に執政官殿に運んで貰ったのじゃ」
「運んでって、3人ともか? バッカじゃねえの!? 人使い荒いにも程があるだろ!」
「た、タクミさん……ただいま、戻りました」
「リョーガ、災難だったな。じゃあ、執務室に行って今日の仕事を片付けてこい」
「あなたが、一番、荒いと、思いますが……」
後ろ髪を引かれる思いで、リョーガを仕事場に放り込んだ。
すまんリョーガ。
お前じゃないと国政が回らねえ。
今日くらいは仕事を変わってやりたいが、オレは働くことが苦手なんだ。
「それはさておき。マリィ、赤子には何をやればいいんだ?」
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