弐拾壱 絆

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 江坂の言葉に眉を顰めながら、髪切りが足元に落ちていた妖刀を手にする。 「みんなっ、行くわよっ」  髪切りの言葉に妖達が頷くと、一様に妖刀に念を送り始める。 「これはっ・・・・・」  俺は仲間たちのその様子に目をみはった。 「妖気が見える・・・?」  背後で尊も驚いたように、その様子に目を奪われている。  仲間達の妖気は立ち上る煙のようにそれぞれの体から湧き出ると、髪切りが持った妖刀へと吸い込まれていった。 江坂はその様子を必死に動画に撮っている。 「いいぞ、いいぞ、もっとやれっ!これで俺の時代がまたやってくるのだ!お前たちはその礎となるがいいっ!」  髪切りが閉じていた目を開く。 「そろそろいいわね」  その妖刀をお歯黒べったりが受け取ると、静かに江坂に向かって歩み寄って言った。そうしてひと際妖艶な笑みを浮かべると丁寧に江坂に向かって妖刀を差し出した。 「この刀、あんさんにお返しするでありんす」  江坂はその顔をしかめたがすぐに、にたついた笑みをその顔に張り付かせ刀を受け取った。 「そうか、お前達も無能な主よりも俺を選んだかっ!いいだろう! 俺がこの場で、庵野雲を始末してお前達を使役してやろうではないかっ」 そう叫び、江坂はまっすぐに刀の切っ先を俺に向け向かってきた。 「っ!」  俺が身構えたその瞬間、江坂の動きがぴたりと止まる。 「っ!!!!!!な、なんだっ、体が動かないぞっ」     
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