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エピローグ
目が覚めると、俺は病院のベッドにいた。
傍らにはすっかり回復した様子の天羽琉が、目覚めた俺を見て顔をほころばせた。
だんだんと意識がはっきりしてくると、意識を失う直前のことが思い出され俺は勢いよく体を起こした。
どのくらい寝ていたのか、軽い眩暈がした。
そんな俺の身体を琉が慌てて支えた。
「志童様・・・無理はいけません。思ったより出血がひどくて、3日も寝ていたのですよ。ゆっくりなさってください」
「いや・・・・、琉っ、お前怪我はっ!」
琉は笑って両手を広げて俺に見せる。
「この通り、もう大丈夫です。コロポックルさん達の治療のお陰です」
「そうか・・・・。で、みんなは?江坂はっ?江坂はどうなった?」
「安心してください。皆無事にしておりますから。
江坂は残念ですが、刀に呑み込まれてしまいました・・・・」
「・・・・・・」
琉は俺の体を軽く押して、再びベッドに寝かせると、その後の様子を話してくれた。
俺が意識を失った後、尊が警察を呼び今回の事は江坂の襲撃事件として扱われたとのことだった。
別に警察沙汰にしなくてもよかったかもしれないが、江坂が行方不明になったとなれば当然最後に一緒にいた俺たちが疑われることを懸念しての、尊らしい判断だった。
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