猫ちゃんを迎えよう

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
僕とうたたネこちゃんは、もう半年以上の付き合いになる。 そして、つい最近……僕は彼女の恋人に昇格したばかり。 「ずっと友達だったからなんだか恥ずかしいね」 「そうだね、尚くん」 ネこちゃんは、岩手の人だから普段はお仕事で東京に来ているけれど、大きなお休みがあるときには実家に帰ってしまうの。そのときにお土産を買ってきてくれたり、岩手の写真を見せてくれたりするんだよ。 「僕、岩手の花巻とか遠野に行ったことあるよ、中尊寺も行ったことある」 「そうなんだ、有名な観光スポットだよね」 「そうそう、そのときは会社の社員旅行で北海道から東北をいろいろ回ったんだけど、自然が多いし、ご飯もおいしいし素敵な場所だよね」 「あと、運が良ければ河童が見れるかもしれない池があるんだよ?」 「えっ、そうなんだ!」 遠野物語や、岩手にまつわる民話はたくさん昔読んだことがある。 河童の話は読んだことがあるけど、まさか出てくる川があるなんて、本当かな。 「ネこちゃんと一緒に行ってみたいな、でも昔から何度も行ったことある土地だったらつまらないかなぁ」 「そんなことないよ、知っている土地も尚くんと行けば違って見えるかもしれないし」 「ネこちゃん……」 そんなことを言ってくれるネこちゃんに感動してしまった。 こういう優しいところが大好きなんだよね。 「ありがとう、ネこちゃん」 「どういたしまして」 「そういえばネこちゃん、今のマンションあとどれくらいで更新なの?」 「半年ないくらいかな、だから引っ越さないと」 じゃあさ、僕のお願い聞いてほしいな。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!