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「先輩? 話って何ですか…? 」
俺は、バスケ部の大先輩、佐野先輩に呼び出された。
体育館倉庫前。
きっと、さっきの大事な試合でのことだ。
俺の失敗について、叱られるにちがいない。
ホイッスル間際に仲間からつないだパス。
迷って反応が遅れた。
「翔(かける)ちょっと、言いたいことあるんだけど」
先輩の表情はキリっとしていて。
でもどこか冷たさが感じられた。
佐野先輩、怒ってる…?
佐野先輩はいつも誰にでも優しくて、頼れるキャプテン。
爽やかににっこりとほほ笑めば、周りの女子は釘づけ。
そんな佐野先輩の怒る姿は、未だ誰も見たことが無いはずだ。
俺のミスで佐野先輩に、こんな表情をさせてしまうなんて。
きっと女子に、舌打ちされるに違いないのだ。
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