体育館倉庫前

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荷物持ちでもやらされるのだろうか。 「俺はね、翔が好き。だから、触りたいんだ」 唐突に何を言っているのだろうか。 これは、告白というやつなのだろうか。 好き。好き。好き…? カチャン。 乾いた金属音。 佐野先輩が倉庫に内側から鍵をかけた音。 スタスタ寄ってくる佐野先輩。 気が付けば背中は冷たい壁。 俺を壁の隅に追いやり、俺の上の体操服をまくしあげてきた。 「ひ……っく……。先輩……?」 「好き」 耳元で、低い声が囁いた。 「………っ…」 冷たい汗が一粒頬を伝った。
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