体育館倉庫前

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「さ……のせッァ……」 怖い。 怖い怖い怖い。 目つきが、ギラリと光っていた。 俺の知ってる佐野先輩じゃない。 優しい……先輩はどこ……? そもそも何でこんな……俺は何でこんなことに……? そんなことを考えているうちに、普通の呼吸の仕方が分からなくなった。 圧倒的な力の差を前に、手の自由がきかない俺は、 静止の身振りをとることも、口元を遮ることさえも許されなかった。 ねぇ まだ つづく? いつ おわる? おわり は ある? 狂い響く自分の呼吸音。 墜ちていく快楽の中。 うち震える自分の瞳が、たぎった熱を貪る瞳に、うっすら映っていたのを見た。
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