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「愛してるよ。」
「なんだそれ。」
未だに愛が何なのかなんてよくわからない。ジョージが私の運命の相手だったのかなんて、きっと一生たっても答えはでない。でもそれでいい。少なくとも今の私はそう思える。
だって他人にとって“はみだす恋愛”だったとしても、それが自分にとって“それなり”なのかもしれないから。それをジャッジするのは誰でもない、自分なんだから。
「あ、そうだ。週末お母さんが来るんだよね。
一緒に会ってくれない?紹介したいんだ。」
「え、もう?」
ある程度段階を踏んで、順序よく進めるという日本の”美学”みたいなものは、やっぱりジョージには通用しないらしい。でも突然の提案に驚く私を見て、ジョージはいつも通りふわっと笑った。
「そんな正式な紹介じゃないから安心して。」
「なんて紹介するの?」
「僕の愛だよって。」
私の驚きを察してジョージがとても”日本人的”なことを言ったのに驚いた。
でもひとまず安心して胸をなでおろして、何を着ていこうかとやっと正常なことを考える頭が戻ってきた。
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