43人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
“それなり”を探していた私に、「そんなの愛じゃない」と言い続けた人とまさかこんなことになるなんて予想もしていなかった。
彼の言う”愛”なんて私にはまだわからないし、ジョージだって本当にわかっているかなんて誰にもわからない。
でも少なくとも今の私は、この人と彼の言う”愛”を探してみたいとそう思えた。そう思えただけで、一生一緒にいる十分な理由になっていることくらいは私もしっかり理解できていた。
「え、てかお母さんって日本人だよね?!」
「そうだけど。」
幸せな気分の中にいる私でも、日本人のお母さんにそんな風に紹介されることを想像してぞっとできるくらいの労力は残っているみたいだったけど、またその時になったら考えればいいと、今はただ左手のぬくもりに身を任せてみることにした。
最初のコメントを投稿しよう!