69人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「ねぇ、輝…?」
「うん?」
「ありがとう…」
「何が?」
愛海が急に、『ありがとう』なんて言うから、俺は少し驚いた。
お礼を言いたいのは俺の方なのに。
「好きな人とするのと、好きじゃない人とするのじゃ全然違うんだね。私、初めては輝が良かったな…」
愛海の切なそうな声に、俺まで少し切なくなった。
愛海が昔辛い経験をしたことを、俺は知っている。
だからこそ、愛海とすることで更にトラウマになってしまうことだけは避けたかった。
愛海には幸せを感じてほしかったから。
最初のコメントを投稿しよう!