社会人一年目 side輝

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でも、それが一か月、二か月、半年と時が経つと辛いものがある。 愛海に触れたくてたまらなくなる欲求を抑えることで、俺は精一杯だった。 だから、愛海が俺のことを冷たいって思うのも仕方がないことで…。 だけど、違うんだ、愛海。 俺はお前のことが大好きなんだよ。 今日のことだって、部の飲み会で酔った後輩に一回抱き着かれた時に、彼女がつけていた香水が移っただけだ。 けれど、愛海は納得がいかないといった表情で、無理に自分に言い聞かせようとしているようだった。 もっとわがまま言っていいんだよ、と愛海に言ってあげたい。 言葉にしないと気持ちは伝わらないから。
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