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襲来
「人類文明は、あと2000年で消失する」
2050年代、世界中で稼働する主なAIが一様に出した答えは「このままでは最大限延命したとしても、2000年後には全ての人類文明は衰退して消失する」という衝撃的なものだった。
その場合、今日のような機械文明を構築する機会は永遠に失われ、地球に誕生した全ての生命は何れ地球の衰退とともに終焉を迎えることになるだろう。
地球が人類その他の地球生物を育む能力を失う前に、人類は新たなフロンティアを開拓し、数十億年先、いや数千億年先へも生命を繋げる為の遥かなる旅路への支度をする必要に差し迫られていたのだ。
そのための試金石として、人類は『火星』への移住計画を開始する。
それから850年もの歳月が過ぎ、人類は辛うじて火星に居住可能な環境を整えつつあった・・・
< 西暦2900年 地球、東京 >
激しく人が往来する街中で、一際に目を引くビルがある。道路に面した1面の全体が映像用のディスプレイパネルになっているのだ。
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