衛星

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「ええいっ!一体、どうなってるんだ?有事対応本部からの増援は何時来るんだ!」 プロジェクト・マーズ火星本部のサテライト部隊は、火星の地表から約400km上空に浮かぶ宇宙ステーションの中に居を構えている。ここでの任務は火星任務全体の総指揮や輸送、天文観測などだ。 火星本部の総責任者であるアルタイル本部長の席も此処に置いてある。今は余程いいのだが、昔は火星地表があまりに過酷で不安定だったことから、全体指揮は衛星軌道上から行うのが慣行なのだ。 「・・・で、有事対応本部は何と言って来ているんだ?」 アルタイルはイライラを抑えきれない様子だ。 「それが・・・『出撃準備中』のまま、期限については回答がありません」 通信班が申し訳なさそうに答える。 「アカツキ!どういう状況なんだ?!」 アルタイルの怒りはアカツキに向けられた。 "委員会が『待った』をかけています" アカツキが答える。 「待ったを掛けている?どういう意味だ、プロジェクト・マーズ委員会の許可は貰っているぞ!」 "いえ。プロジェクト・マーズ委員会ではなく、その上のプロジェクト・サステナビリティ委員会の方です" 「チッ・・・!」     
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