朝食

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朝食

クラウドは昨晩、ほとんど一睡も出来なかった。 憧れのフェニックスに入れたという興奮と、初日から色々と大変な話を聞いたり、何よりも環境の激変に神経が追いつかないのだ。多分、慣れるにはまだ時間が掛かるだろう。 "おはよう、クラウド。昨日はよく眠れましたか?" ヘッドセットに機械音声が入る。昨日、火星に通信を依頼した時に聞いた声。管理科所属のAI(タンゴ)だ。 「タンゴ?残念だけど、あまり寝れてないよ。まぁ・・慣れれば何とかなると思うけど。食堂は7時に開くんだっけ?」 クラウドは這うようにしてベットから出る。 "正確には6時40分にオープンしますが、その時間はコーヒーやトーストくらいしかありません。アラカルトをお好みでしたら、7時にならないとダメです" そうだった、とクラウドは思い出した。ダックスの説明では朝食を簡単に済ませたい人間が、朝食アラカルトをしっかり選びたい人達の渋滞に巻き込まれないために設けられた時間差措置だとか。 "それはそうとしてクラウドに連絡事項です。本日は朝食が終了したら研修室には向かわず、9時に管理科の労務管理班まで出頭してください"     
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