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「このまま行きます。」
私のその言葉にナイトとエリアスは同時に頷いた。
「そういう事だ。速度を上げるように先頭に伝えて来い。」
エリアスがそう言うと、一般兵は威勢のいい返事をして馬で駆けて行った。
「速度を上げるとして、通常ならあと2時間のところをどれくらいまで縮めることができるの?」
ナイトの方を見ると彼は上を見上げた。
「そうですね、、、1時間くらいでしょうか。」
マコトも思わず顔を上げるが木の葉の隙間から太陽の光がチラチラと見えるだけだ。
太陽の位置でも確認したのだろうか?
顔を戻すと、続けてナイトは言った。
「馬が途中で通常よりバテるようでしたら、もうすこしかかりますが、今のところは大丈夫そうです。」
天気が良く、気温が高いと馬はバテやすい。
と、言うことはさっきのは天気を確認したのかな?
「1時間かぁ。敵に魔剣を取られる前に間に合うかなぁ。」
「どうでしょう。」
そのナイトの曖昧な返事で察する。
間に合う確率はとても低いということだろう。
ちぇ、この世界に車があれば30分くらいで着くんだろな。
「あ、そうだ。途中で馬を替えるところとかないの?馬がバテたらほかの馬に乗り替えたりするところ。」
「馬丁宿ですか?すみませんが、このあたりにはありません。なんせ、田舎なもので。」
ですよね~
ここは、馬が横3列でギリギリ通れるくらいの道幅だし、だいぶ走っているのに荷馬車一台にもすれ違わない。
「そんなに早く行きたいんだ?」
エリアスが覗き込む。
「うん。だって、戦ってるなら早く加勢しなきゃって思うし、魔剣はとられたくないよ。」
するとナイトとエリアスは意味ありげにアイコンタクトをとる。
「え、何?」
「我々としてはお嬢様を危険な目に合わせたくはないのですが、、、」
「もったいぶらないでよ~」
「実は、我々の乗っている馬は他の兵が乗っている馬とは少し違うのです。」
「えーと、、、どういう意味?」
「特別ってことだよ。こいつらは早いんだ。」
そういうとエリアスは馬の頭をなでる。
「駿馬ってこと?」
「そういう事です。こいつらには持久性もありますから、普通の馬よりかなり早く目的地に着くことは可能でしょう。」
「ってことは、最悪私達だけ先に行くこともできる!」
そういうとナイトは困ったような顔をする。
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