魔剣

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「そうおっしゃると思いました。しかし、駿馬は我々が乗っている3頭と先頭で精鋭部隊の2人が乗っている計5頭しかいません。あとはこれとは別に伝達用の早馬が2頭いますが、これらは使えません。」 「あ~、精鋭さん達も駿馬に乗ってるんだ!」 精鋭さん、、、とエリアスがつぶやく。 精鋭さん達と行動するのは今回が初めてだ。 全員で10人いるらしいが、全員と会ったことはない。 彼らは国王の手足と呼ばれているのに、、、 こんなんでいいのか?私。 「行けるのは5人だけですが、それでも行かれますか?」 「ナイトとエリアスはついてきてくれる?」 一応、念のために聞いておく。 「もちろんです。」 ナイトはにこりと笑った。 「私も行きます。」 エリアスはキリッと眉を上げる。 「ありがとう。精鋭さん達はついてきてくれるのかな?」 「はい。喜んでついてくるでしょう。あいつらはある意味陛下には忠実ですから。」 ナイトが刺のある言い方をする。 喜んで!?あいつら!?ある意味!? ・・・。 まぁ、今は深く考えないでおこう。 「じゃあ、行く!」 そう言うとナイトは頷き微かに笑った。 私の反応が予想通りだったのかな、、、 「では、1つだけ約束を。」 ナイトは私の左手を取る。 「私は全力で陛下をお守り致します。しかし、」 そこで言葉を切るとナイトは私としっかり目を合わせた。 「危険に晒された場合、自らを第一に優先してお逃げすることを誓って下さい。」 「僕からも約束だ。」 そう言うとエリアスも逆の手を取る。 「マコトは優しすぎる。私達に何かあったとしても、気にせず必ずお逃げ下さい。」 これは、意見を受け入れなければ行かない、ということだろうか。 「わかりました。」 善処しましょう。と私が続ける前に2人は手の甲にキスを落とした。 そこからは微かに魔力が流れてくる。 それは敬愛を示す証だ。 この国では当たり前のこの行為に慣れる気がしない。 思わずドキッとしてしまい、 善処する ということを伝えそびえた。 まったく、どこぞの乙ゲーだ、と自身につっこみながら手を手綱に戻す。 「ナイト、エリアス、行こう!!」 恥ずかしさを振り払い馬の腹を蹴り、列の横に出ると一気に前を目指して走る。
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