魔剣

18/23
前へ
/128ページ
次へ
ほとんどが殺されて?? それを聞いてグッと息がつまった。 どう返答していいのかわからない。 すぐ撤退命令をしておけば、そんなことにはならなかった? 私は選択肢を間違った? そう思うのは認めたくないからなのか? 「陛下、撤退を。」 ナイトが呟く。 それにマコトは頷くしかなかった。 ・・・・・・ 撤退? 当たり前だ。 寧ろ遅すぎたくらいだ。 これだから、経験の浅い国王は嫌なのだ。 それ以前に異人だし、女だし、こんなちんちくりんの臣下になろうと思ったナイト様やエリアス隊長、スヴェン隊長、フォーや他の精鋭部隊の奴の気がしれない。 ツーはため息をついた。 こんな、国王さっさと誰かに殺されて終わるに違いない。 「お嬢様?」 その場から動かない国王に臣下のナイト様が不思議そうに話しかける。 「いや、撤退しなきゃいけないっていうのはわかるんだけど。もし、生きている兵がいたら、それは助けてあげたいなって」 バカだ。 敵がいる中で数人の死にかけを助けるとか正気じゃない。 見捨てるべきだ。 「それは後に回収させます。」 俺が言うと国王は眉を吊り上げた。 「回収?」 どうやら、俺の言葉のチョイスが気に入らなかったようだ。 つくづくメンドクサイ奴。 「陛下、みなさん、待ってください。」 フォーがぽつりと言った。 「敵に囲まれています。」 ほら、とろとろしてるからこうなるんだ。 ツーはもう一回ため息をついた。
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加