再会

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見た目は子供、中身は大人!が、当たり前になっているのがこの世界だ。 10歳程度になると急激に見た目の成長が遅くなる。 だから、目の前の少年も中身はおっさんなのかもしれない。 先程から子供らしいしゃべり方がわざとらしく聞こえてしょうがない。 彼は私を見ると にたり、と口を歪めた。 「やっぱり君が国王になったんだね。」 【国王になった】ということはなる以前に出会ったことがあるということだ。 しかも、【やっぱり】と言うことは国王になる以前に知り合っていて尚且つ王位継承戦に参加することを知っていた?? 「懸けは僕の勝ちだ! ね?マルコフ?」 その少年が言うと周りにいたスーツの1人が後退りする。 それがマルコフ、なのだろう。 「逃げる気か?」 ドスの効いた低い声。 少年の本性はこちらのようだ。 「陛下、どうか、どうかもう一度チャンスを!!」 そう言うマルコフの両端を他のスーツの男達が押さえつける。 陛下? っていうことはこの白髪の少年が噂の、、、 「うーん、どうしよう?でも、この魔剣の試し斬りもしてみたいんだよねぇ。」 そう言うと少年は死体の山からピョンと飛ぶと男の前に降り立つ。 その手には錆びた剣が握られていた。 長い間使われている形跡のないあれが、私達が今回求めていた剣だろうか。 「どうか、お願いいたします。何でも致しますから!」 「何でも?そっか。じゃあ、斬られて?」 少年が思いっきり剣を振り下ろすとそれはマルコフの首の3分の1ほどに埋まる。 「あああああああああ!」 「あれ?斬れない。まぁ、当然か。こんだけ錆びてたら。」 あははは と笑う少年に狂気を感じる。 私は一体何を見せられているんだ。
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