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「君は聞くまでもないよね。その白の衣装とマント。膨大な魔力量。僕たちが知っている国王の情報と一致してる。」
残念ながら、偽名作戦は全く意味がなかったようだ。
我ながらなかなかのセンスの偽名だと思ったのに、、、まぁ、見た目まんま国王って普通わかるよね。
さぁ、どうしようか。
一歩でも歩けば周りのスーツが飛びかかってきそうだし。
「まだ、僕のこと思い出せない?それとも忘れちゃったのかな?」
少年はわざとらしく首を傾げた。
「ひどいなぁ。僕、お姉さんのこと、応援してあげたのに。お姉さんに賭けまでしたんだよ?まぁ、会ったのは一瞬だし、覚えてなくてもしょうがないのかなぁ?」
【賭け】、で思い出した。
「王位継承戦、、、」
マコトは呟いた。
王位継承戦の行われるコロッセオへ急いでいたときに、ぶつかってしまった少年だ。
「そうそう、思い出してくれた?うれしいよ。」
そういうと、少年はまたにたりとした。
こんな偶然が、、、いや、今思い返すとあれはわざとぶつかってきたのだろうか?
こうなることを予想して???
そう思うと全身の毛が弥立つ。
「君に会えば、アイツにも会えると思ったんだけど、いないんだね。」
アイツ?
「アーサーだよ。バカでノロマで、、、まだ生きていたなんて信じられないね。」
アーサー!?
「アイツさ、君にこの名前を教えたのか?本当にバカな奴だな。」
何も悟られないように、表情は変えていないつもりだったが、どうやら見透かされているようだ。
アーサーとは王位に就く前は一年間ずっと一緒だった。
あの王位継承戦のときも確かに一緒にはいた。
でも、もうアーサーと会うことはないだろうし居場所もわからない。
「君、なかなか面白いね。これからも予想外なことをしてくれそうだよ。その変な形の剣も気になるし、、、、魔剣ではないようだからまぁ今回はいいや。」
この刀は町の加治屋に無理言って作ってもらったものだ。
不便そうだとギャーギャー言われたが、白刃丸と名付けて大切にしている。
「そうそう、君以上の魔力量を持った部下いるよね?彼、僕の国にくれないかなぁ。悪いようにはしないよ。」
思い出したかのように少年は突然話を変えた。
魔力の量がわかる能力の持ち主なのか、それともそういう能力をもっている魔剣を持っているということだろうか。
私以上の魔力量を持っている部下?
エリアスやナイトもまぁまぁの魔力を持っているが私ほどではない。
という事であれば、ツーかフォーのことだろうか。それともここにいない誰かの可能性だってある。
「それが私達を待っていた理由ですか?」
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