再会

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奥さまの井戸端会議みたいに長居するつもりなど毛頭もない。 早く話を終わらせて逃げ帰りたい。 「まぁ、そんなところだよ。アーサーのバカがいれば殺してやったのにさ。」 アーサー、やばい奴に目を付けられてるけど何で!? どこで隣国の王と出会う機会があったのだろうか、、、あれ?そういえば目の前の隣国の王の髪飾り、アーサーがしていたものとよく似ているような、、、でも、まぁ流行ってるアクセサリーだしたまたまか。 「あっ、もちろん、君も僕の臣下になるっていうのであれば歓迎だよ!」 「申し訳ありませんが、お断り致します。」 「えー、いい話だと思うよ。そっちの国では最後には殺されちゃうのがオチでしょ?」 確かにそうなのだろうが、それを覚悟で私は国王になったのだ。 「ねぇ、駄目かな?もちろん、それなりの金は払うよ。最近調子乗ってる奴等を徹底的に潰すために手駒が必要なんだぁ。あぁ、そうだ!レンタルでもいいよ。」 調子に乗っている奴等? 誰の事を言っているのだろうか。 「おーい、国王陛下~、今戻りました。」 声のした方を向くと、茂みから赤毛の仮面男が木の枝をパキパキと踏ながら出てきた。 他のスーツ姿とは違い、学ランの様な装いだ。 「我々の包囲網を抜けるとは、さすが、国王に(たか)ってるだけあるね。(アール)と共闘してやっと一匹捕まえられたよ。」 先ほどの赤毛の男より落ち着いた声。 その後ろから桃色の長髪の男が出てくると片手で持っていた何かを、こちらを見もせずにしかし、的確に勢いよく投げてきた。 マコトはそれを反射的に体全体を使って受け止めた。 「うっ」 その重さに思わず声が漏れる。 これをよく桃色の髪の男は華奢の割には、片手で持っていたものだ。 「ツー、大丈夫?」
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