再会

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敵は私を殺すことが目的ではない。 ただ、もて遊びたいだけなのだ。 とりあえず、ここを凌ぐことが出来れば後は何とかなりそうだ。 刀を鞘に戻し、ツーを肩に担ぐ。 「よいしょっと。」 その細身の体は重くて固く、結構筋肉質だ。 「滑稽ですね。あなたにはプライドってものがないのですか?」 桃色の髪の男が鼻で笑う。 滑稽だなんてこと私本人が一番わかっている。 「ほんっとうに頭悪いよな。陛下がわざわざアドバイスしてやってんのにそれ持っていくのかよ。」 それ、とはツーのことだろう。 でも、今の状況で言い返すことのできるほどの余裕は私にはない。 「陛下の言った通りでしたね。賭けは陛下の一人勝ちです。」 何について賭けをしていたのかわからないが、この世界の人々は本当に賭け事が好きだな。 「つまんねーの。ほとんど陛下の一人勝ちじゃねぇか。」 次は逃げ切れることに賭ける、とか賭けないとか言っている。 まるでゲーム感覚だ。 ナイトやエリアスは無事だったら助けに来てくれるかな? いや、自分でどうにかしないと!! 「はい、スタート。」
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