再会

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・・・・・・・・ 「見たか?心臓をあんなに音を立ててたくせに、外見は冷静を装ってた。」 少年王はにたにたと笑った。 「あれは異人だから中身がまだ幼い。中身が成長したらもっとおもしろくなる。」 「そうなんですか?私は思っていたより彼女は冷静だな、と。話もできますし、あの状況下で冗談も通じますし、、、陛下、もしかしてあんな子がタイプなんですか?」 Pは久しぶりに機嫌がいい国王を見て疑問をぶつけた。いつも比較的ニコニコしていらっしゃり、気分が読めないお方だが、今日は違う。格別に機嫌がいい。 「うん、そうだね。そんな気がしてきた。」 それを聞いて、PとRは目を丸くした。 まじかよ、とRが呟く。 「そんな感情を表に出すほど驚くことか?」 少年王は退屈そうに倒れた敵兵の上着をめくった。 「いえ、すみません。」 Pは謝った。確かに今まででも陛下が興味を持った人物はいた。 でもタイプかと聞けば、必ず首を横に振っていたのだ。 上着をめくっていた少年王はお目当ての物が見つかったようで、ブツリ、と服から剥ぎると自分の胸ポケットへと入れた。 「おや?陛下、無能共が戻ってきましたよ。どうやら、あの子逃げ切ったようですね。」 Pはおずおずと申し訳なさそうに広場に戻ってきた三人の男を睨んだ。 「ふんっ、約束は約束だからしょうがない。この魔剣はくれてやろう。」 そう言うと少年王は錆びた剣を一振りして剣身に付いていた血を飛ばした。 「いいのですか?」 「いいよ、破壊の剣しか今は興味ないし、こんな錆びた剣、いらないでしょ。」 「まぁ、陛下がそうおっしゃるのであれば、、、でも、どうやってわたすのですか?」 「弓を貸せ。向こうにはアイツがいる。」 「あぁ、なるほど。【兵器】のことですね。」 「おっ、久々に陛下の本気が見れるかな?」 少年王は剣を矢のように指に引っ掛けると弦を引き絞った。 「まだ腕は衰えてないだろ?ナイト・コートフィールド。」
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